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おのくんを迎えに〜その3〜

おのくんのおかあさん達とお別れをしてタクシーに乗車。
運転手さんに伝えたのは“やはり一度は被災地を実際に見たい”ということ。
後は運転手さんにお任せ。

最初に連れて行って下さったのは小さめのお寺。
そこには震災で亡くなった方々の名前が刻まれた石碑が。
結構大きいサイズの石碑には地区名と名前と享年が。
とある地区だけやたらと多い。
その地区は壊滅的被害を受けた場所で、現在は居住禁止地区だそうです。
見ていると1歳に満たない子や二十歳の将来ある若者も。
それ以上に高齢者が多かったです。

次に行ったのは墓石が沢山あるお寺。
といっても社務所も御本堂もない風景。
あるのはお墓と震災後作られた慰霊の鐘。
そして、まとめて置かれている墓石。
元々立派なお寺があったそうです。
津波で御本堂も流され当時のご住職もお亡くなりになられたそうです。
まとめられていた墓石は津波で流されて来たもので置かれているそうです。

その次に連れて行って下さったのは“旧野蒜駅地域交流センター”
建物の外壁には

遠目から撮ってないからわかりにくいですが、2階建ての建物です。
元々、JR野蒜駅の建物だそうで、震災の時には屋上に避難したそうです。

建物の1階部分はファミリーマートだけど2階は震災関連の展示場所。
2階に上がってすぐ見たのは、津波の被害を受けた券売機。


部屋の中にあったのは震災直後の写真と復旧している途中の写真など。
そして、震災が起こった時刻で止まったままの時計


建物の裏には震災後廃止となった旧野蒜駅のホーム。


ポスターも当たり前だけどその当時のまま


ちなみに、この野蒜駅付近の小高い場所で震災で停止した電車が
地域住民の男性の忠告で奇跡的に助かったという有名な話しの場所。

体育館まで津波に襲われてしまった旧野蒜小学校は廃校になったけど、
内陸部の高台に新しく木で作られた素敵な小学校が。
その付近には新しい家が続々と立てられていました。

タクシーに乗って走ること10分ほどで入り海の河川近くに。
階段を登ると穏やかなほどの河川が


近くには津波到達の高さが記載された看板が


ここで運転手さんが色々と話して下さいました。
当日、お客を乗せて送って行ったこと。
地震が起こってタクシーを捨てて歩いて小高い山の上まで走ったこと。
小高い山の上から押し寄せる津波を見るしかなく、助けを求める声が
聞こえたけれどどうしようも出来なかったこと。
津波に巻き込まれたけど、どうにか山の上にたどり着いた人の中には
あの日の夜の気温の低さで低体温症となって亡くなっていったこと。
海水に濡れた服は拭いて温めるよりも乾いた服に着替えないとダメなこと。
元々は風光明媚で民宿も多く夏には海水浴客で賑わう場所だった。
去年ようやく海水浴場が一部復活したこと。
津波にあった田畑の土は入れ替えられて作付けが始まっていること。

なによりも、“あの時、津波を知らせるサイレンが鳴らなかった”こと。
岩手・宮城内陸地震でも宮城県沖地震でも三陸沖地震でも
津波は殆どなかったから今回も大丈夫だろうと思ってしまった。
それがあれだけの被害に繋がったのだと。
若い世代は仕事に行っている時間帯で高齢者は逃げる足がなかった。
だから亡くなった方に高齢者が多かったのだと。
防波堤はあったけど、正面の波は防げても至方向から来る波には弱く
あっけなく防波堤は倒れてしまったと。

私にはかける言葉も何も持っていませんでした。
どんな気持ちで案内して下さっているのだろうか。。。

最後に連れて行って下さったのは
数少なく残された建物があった場所

夕方で暗くなり始めており分かりにくいけど、1階部分は柱ぐらいで空洞。
よく残っていたものです。

そして、渡った橋もその当時のもの


奥の潰されているガードレールは津波で破壊されたままだそうです


最後は新しく内陸部に作り直された野蒜駅へ。
駅前から海を見るとガードレール越しでわかりにくいけど何もない。


最後に運転手さんが6年間仮設暮らしだったけど、近々家が立つから
ようやく新しい家で暮らせるんだよ。
と笑顔で言われました。
仮設で6年の暮らしは想像にできません。
諦めの境地だったのだろうか。

なんと言うか色々と考えさせられました。
帰りは野蒜駅から再びハイブリッド車両で仙台に。
乗換え待ちの間に夕食を食べて無事に帰宅。

長くなったけどこれは一気に書き上げたかったのです。

by mie
日記 : 22:36 : comments (x) : trackback (x)
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